三つ子育児は本当に大変?豊田市事件から見えた現実と「使えない支援」の問題

子育て

三つ子育児は大変なのか。

そう聞かれたら、私は迷わず「想像以上に大変」と答えます。

なぜなら、大変という認識が社会に十分に広がっていなければ

必要な支援につながりにくくなってしまう側面があるからです。

また、これから三つ子を産む方にとっても、心構えと

る覚悟」が必ず必要だと感じています。

この記事では、2018年に豊田市で起きた、三つ子次男虐待死事件をもとに

三つ子育児の現実と

何故限界まで追い詰められてしまったのか

そして、本当に必要な支援とは何か

三つ子を育てている当事者として、実体験をもとにお伝えします。

2018年三つ子虐待死事件の経緯

事件の概要は以下の通りです。

2018年1月11日19時ごろ、愛知県豊田市に住む三つ子の母(当時29歳)が、自宅で生後11カ月の次男が泣きやまないことに腹を立て、床に2回たたきつけた。次男は病院に運ばれたが、同26日に脳損傷により亡くなった。母は殺人未遂容疑で逮捕された。

今年3月、名古屋地方裁判所岡崎支部で裁判員裁判の一審判決が出され、母は傷害致死罪で懲役3年6カ月を言い渡された。執行猶予はついておらず、母は控訴した。が、二審でも実刑判決が下った。

17年1月、夫婦は不妊治療の末に三つ子を授かるが、3人とも低体重だった。出産後、母親は実家に帰省。しかしながら、飲食店を経営する両親を頼ることはできず、同年5月に夫が待つ自宅に戻った。夫は半年間の育児休業を取得していたが、おむつの取り換えに手こずったり上手にあやせなかったりしたため、母親は夫を次第に頼らなくなったそうだ。

3人の赤ちゃんを育てる生活は想像以上に過酷で、寝る暇もない毎日だった。市の保健師の訪問を受けた際に相談したところ、子どもを一時的に預けられる「ファミリーサポートセンター」の利用を勧められたが、事前面談に3人の乳児を連れていけず、結果的に利用しなかったという。

豊田市の事件から見えるもの

この事件から見えてくるのは、単なる「個人の問題」ではなく

  • 多胎育児における育児負担の大きさや
  • 支援制度の使いにくさ
  • 育児の孤立

実際に、この事件をきっかけに、約3万もの署名活動が行われました。

それだけ、多くの人が「他人事ではない」と感じた出来事だったのだと思います。

三つ子育児の現実

三つ子育児の大変さは、想像をはるかに超えます。

ミルクの回数は一日24回以上

おむつの交換は一日30回近く。

11か月頃になれば、離乳食も始まっていたでしょう。

作っても、食べてくれない時もある。後片付けも大変。

夜泣きがあればまとまって眠れず、慢性的な睡眠不足。

この子たちがお昼寝したら、ぐっすり夜眠ってくれたら 

ちょっとだけ一緒に寝れるかな・・・

そんなこと考えている時に限って、寝てくれない・・・

お風呂にも3人分。

家事もこなさなければならない。

こんな状況で、一人で育児することは不可能だと感じました。

私の場合

私の場合は、実母が一緒に子育てをしてくれました。

それでも大変だったので、

生後半年から半年間、主人に育休をとってもらいました。

そうまでして、ようやく「回る」状態でした。

この事件が与えた影響

この事件が起きたのは2018年の1月。

私が三つ子を出産したのは2019年3月。

私の周りも、私自身も、

出産前から、この事件は強く印象に残っていました。

「三つ子の育児を一人でしたら、危険」

そう私も周りも覚悟していたからこそ、周囲に頼る、周りも手伝ってくれる

選択ができたのだと思います。

三つ子を育てて感じたこと

この経験を通して、強く思うことがあります。

それは

とにかく、人の手が必要だという事。

赤ちゃんは泣くことでしか意思表示が出来ません。

「抱っこして」「ミルクが欲しい」「眠い」「オムツを変えてほしい」

何かを要求しているのに

応えてあげられない状態が続くと

親のストレスは限界に近づいていきます。

支援があっても使えない現実(ファミリーサポート)

この事件では、「ファミリーサポートセンター」の利用が勧められていました。

しかし、結果的に利用には至らなかったとされています。

私自身も、ファミリーサポートの登録、サポーターさんとの顔合わせまでは行うことが出来ました。

でも、実際に使うことはありませんでした。

理由はいくつかありました。

①知らない人が家(悲惨な状態の)にきて、育児を手伝ってくれることに抵抗がある

子どもを連れて行ける場合は、サポーターさんの自宅で見ていただけるようでしたが、

三つ子の場合は、連れていくことが一苦労です。家に来てもらって、またただでさえ余裕がない日々に、「初対面の人への気遣い」「説明」が増える事を考えると、ハードルは高く感じました。

三つ子も場合は自宅に来てもらう必要があります。「説明」をしている時間があったら少し休みたい。

②急なお願いは出来ず、前もって計画的に頼む必要があった

③ファミリーサポーターさんはほとんどがボランティアに近い形で活動されている。

「仕事として割り切ってお願いする」というよりも、どこか遠慮をしてしまう気持ちもありました。

④いつか楽になる。

いつか終わると知っているから、無理をしてしまう。今耐えればと思い、躊躇する。

本当に必要なのは使える支援、使いたいと思う支援

制度がある事自体は、とても大切です。

  • 事前面談が必要
  • 知らない人との関係構築が前提
  • サポーターさん宅で預かってもらう場合は送り迎えが必要
  • 急な依頼はできない
  • メリットとデメリット天秤にかけた時に、デメリットの方が大きい気がする

どんな支援なら使えたか

では、どんな支援であれば、実際に利用できていたのか。

これは、あくまで私の考えですが

ファミリーサポーターの事をとれば、妊娠中からサポーターの方と定期的に顔を合わせる機会があれば、もう少し安心して頼ることが出来たかもしれません。

いきなり「知らない人」ではなく、少しずつ信頼を作れていたら

心理的なハードルは大きく違ってきていたと思います。

また、「仕事」「プロとして」かかわる形だったら

もう少し気兼ねなく頼ることが出来たかもしれません。

ボランティアに近い形だからこそ、遠慮につながってしまうのではないか。

でももし、「これは仕事として提供されている支援」だと感じられていたら

メリットが大きいと思えていたら

もっと素直に

「助けてほしい」と言えたのではないでしょうか。

また、仕事として提供される中の内容も

  • 一緒に病院の受診を手伝ってくれる
  • 外出の付き添いをしてくれる

といった、生活に寄り添う形の支援があれば

「お願いしてみようかな」と思えるきっかけになったと思います。

また、育児サポートを受ける側の費用は補助があり、サポーター側はプライベートの延長ではなく仕事として働く人。

こういった形で頼みやすい、頼んでみたいそんな仕組みだったらいいなと思います。

これは、極論ですが、、、

三つ子を育てたからこそ思う事ですが

もし、育てる人が夫婦2人しかいない、手伝ってくれる人がいない場合は

強制的に週に1回でも、訪問育児制度を作ってはどうかと思います。

それだけの制度を作るべきだと思います。

今の時代だからできる支援

今は24時間携帯でつながれる時代です。

「明日少しだけ手伝ってほしい」

「今だけでも来てほしい」

そんな急なお願いでも、気軽に相談できる環境があれば

救われる場面はきっと多いと思います。

特に、三つ子育児では

「今この瞬間が限界」というタイミングが何度も訪れます。

だからこそ

今、助けてほしいに応えられる「支援」

核社会が進む現代の子育てで大切になってくるのではないでしょうか。

また、多胎児育児を取り巻く環境に必要不可欠な仕組みではないかと感じています。

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